- 更新日: 2022年09月09日
- 公開日: 2017年07月19日
未経験からの就職、女性エンジニアとして生きるのに必要な5つのこと
多様な生き方・働き方が提唱され、転職やキャリアチェンジをすることも一般的な世の中になってきました。ステップアップのため、何か手に職をつけたいなと考えている女性の方に、ひとつの選択肢としておすすめしたいのが、IT系のエンジニアです。
男性だけの職場だと思われがちなエンジニアですが、実は、女性にも働きやすい職種なのはご存知ですか?それはどうしてなのか?どうすればエンジニアになれるのか?エンジニアになった後のキャリアとは?などを、データを元にお伝えしようと思います。さっそく見ていきましょう!
女性エンジニアについて
女性エンジニアの総数は?
意外と多い?約5人に1人が女性!
データ出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、2016年度に社員として勤務しているエンジニア(システムエンジニア、プログラマー)総数は約45.9万人、うち女性は7.9万人ほど。女性の割合は17.4%という結果でした(表1)。思っていたよりも多いでしょうか?
データ出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査
(表2)は、短時間労働者の人数です。短時間勤務をされているエンジニア女性も4850人おられますね。
女性エンジニアの求人は?
女性エンジニアを積極的に採用している企業や求人もある
女性向け求人サイトマイナビ転職womanに掲載されているITエンジニア求人は2017年7月時点で376件あります。エンジニアの求人では男女区別をしている企業は特にないとはいえ、女性向け求人サイトに掲載されていると、安心して応募できますね。
また、産休・育休や、育児や介護での時短勤務は気兼ねなく利用したいものです。後述の女性向け求人サイトでは「産休育休取得実績あり」「育児中ママ活躍中」などの検索項目がありますので、会社を選ぶ際にぜひ参考にしてください。
女性エンジニアとして働くメリットは?
女性がエンジニアとして働くと意外なメリットが
1.男性と肩を並べて働ける
比較的業界が若いからでしょうか、男性女性で仕事内容が区別されることもなく、男性と肩を並べて働けます。この点は、キャリアを築きたい女性には嬉しいポイントですね。しかし区別されることがないということで、逆に同条件で残業や深夜勤務も回ってきます。残業時間や深夜勤務の有無などは、会社を選ぶ際に実際に勤務している女性の方と直接お話するなどして、確認しておきましょう。
2.ライフステージが変わっても働き続けられる
結婚・出産後も続けている方が意外と多いのがエンジニア業界。「結婚/出産のときはどうしているの?」も参考にしてくださいね
データ出典:厚生労働省 就労条件総合調査
データを見ますと、情報通信業にてフレックス制度の採用が最も多くなっています。他の業種に比べ、柔軟な勤務体系を許す土壌ができているということでしょう。
表の通り、情報通信業がもっともテレワーク(在宅勤務)の利用が多い業種となっています。家事育児や介護との両立のため、在宅勤務の制度を利用されている方もおられます。
また、技術を身につけてフリーランスエンジニアとして独立することも夢ではありません。
実際に未経験の主婦がプログラミングを勉強して仕事を受注した記事はこちら
3.プログラミングスキルが他の職やプライベートでも活かせる
今やPCを使っていない職場はほとんどありません。万一、エンジニアを退職してしまっても、身につけたプログラミングスキルや技術の情報収集スキルは事務職や営業職などでも重宝されるなど、他の職種でも活躍できます。
またプライベートでも、自宅のPCの設定をしたり、PTAや自治会などの書類作成や趣味に使うデータの処理など、色々な場面でPCを使って効率化できることがあるでしょう。
4.最新技術に詳しくなれる
社内はIT技術に感心のある方々ばかり。自分自身も仕事に使う技術を勉強しますし、同僚と雑談をする中でも、自然と最新ITニュースに詳しくなれます。例えば、格安SIM(大手キャリアよりも低価格で利用できる携帯電話回線のこと)にもいち早く変更して節約できちゃったりと、得することも。
女性エンジニアになるには?
女性でも、未経験からでも、エンジニアになりたい!と決意されたら、まず何をすればよいでしょうか?日々進化するエンジニア業界では、経験があってもなくても、貪欲に学習する気概を重視する傾向があります。そこで、現在の仕事を続けながら少しでもプログラミングを学習しておくと、就職の際にアピールポイントになるでしょう。
独学でプログラミングを学ぶ
本格的に学ぶ前に予習をしておきたい方や、すこし経験があるので不明点も一人で解決できる方には、独学がおすすめです。
独学のメリット・デメリット
独学でプログラミングを学習するメリットは、なによりも時間の融通がきくことです。忙しくて細切れの時間しかとれない場合にも、本を1ページだけ、サンプルを1つだけ…とコツコツすすめることが可能です。
デメリットは、不明点が出てきたときやエラーなどで先に進めなくなったとき、解決に時間がかかってしまうことです。初心者の場合は質問や不明点自体をうまく文字だけで説明できない事が多く、ネットで解決方法を探すのも難しい場合があります。このため、回り道になったり結局分からず放置してしまうことも。
プログラミングを独学で学ぶ ための参考記事
書籍でプログラミングを学ぶ
必要な情報がコンパクトにまとまっており、体系立てて学べるのが魅力なのが、書籍による学習。編集、出版という手順を経ているので、ネットの情報よりも比較的信頼できるのもよいところ。画面で読むより紙で読みたい派にもおすすめです。
プログラミングを書籍で学ぶための参考記事
サイトでプログラミングを学ぶ
進捗の管理ができたり、クイズ形式や使いやすい画面などで飽きない工夫がされるなど、プログラミング学習のサイトは近年とっても進化しています!無料や格安で受講できるプログラミング学習サイトもありますので、とりあえずプログラムに親しんでみたい、という方におすすめです。
プログラミングをサイトで学ぶための参考記事
プログラミングスクールに通う
じっくり学習する時間が取れる方、最初は随時質問をして不安なく学習を進めたい方は、通学型のプログラミングスクールをおすすめします。
プログラミングスクールのメリット・デメリット
講師から直接講義を受けられるため細かな質問がしやすいことや、ともに学ぶ仲間ができるなど、モチベーションを保ちやすい環境に身を置けることは大きなメリットと言えます。また、通学型スクールには就職のための支援サービスが受けられるところも多いです。
デメリットは、通学のための時間がかかってしまうところや、受講できる時間が限定されること、受講料が比較的高額となる点です。
プログラミングスクールで学ぶための参考記事
オンラインスクールを受講する
スクールの安心感は欲しいけれど、なかなか通学ができない、という方には、いいとこどりのオンラインスクールをおすすめします。
オンラインスクールのメリット・デメリット
メリットは自宅で受講でき、通学時間がかからず、自分のペースで受講できるという点です。産休・育休中で一人の時間がままならない場合も、仕事も家事も忙しい方にも、子どもが寝たあとや家事の合間に無駄なく学習ができるのは嬉しいですね。 デメリットは、ともに学習する仲間ができづらく、モチベーションを保ちにくいことです。また、講師に質問ができる時間や手段が限られているので、効率よく質問をするために、不明点をメモしておくなど工夫が必要となるところでしょうか。
オンラインスクール例:Codecamp
画像出典:Codecamp
Codecampはオンラインでビデオ通話によるマンツーマンレッスンを行うプログラミングスクールです。動画講義によるオンラインスクールが多い中、ベテランエンジニアによる直接指導が受けられるので、不明点もすぐ解決でき、自分のペースで進めることができますよ。現在無料体験レッスンも実施されているので、ぜひ試してみてください。
そのほか、オンラインスクールで学ぶための参考記事
女性エンジニアの悩みとは?
エンジニアになりたいと思っても、残業は多いのか?働き続けられるのか?など、不安なことがいっぱいありますよね。データを元に、見ていきましょう。
残業は多いの?
データ出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査
エンジニアは一般的に、残業が多いと思われていますね。上記の表をみていただくと、女性の全職種平均8.2時間のところ、エンジニア(システムエンジニア+プログラマー)の平均残業時間は13.5時間となっており、比較的多くなっています。
実際のところ、残業時間は会社によるところが大きいです。フレックスタイムを活用したり、プライベートも大切にし残業なしを目指す会社や、残業時間を管理し残業代をきっちり支払う会社もあれば、なかばサービスで大量の残業を課す会社も存在します。会社を選ぶ際には、直接社員とお話する機会をもらう、エンジニアの友人に話を聞くなどしてリサーチしましょう。
女性管理職はいるの?
こちらもまた、データから見ていきましょう。
データ出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査
2016年度の女性管理職の割合は8.6%となっています。しかし、エンジニア女性の労働者数自体が他産業より少ないため、エンジニア女性の中で管理職になっている割合を計算すると15.6%となり、全産業合計の7.9%の2倍近い割合となることがわかりました。情報通信業で女性が管理職として働いている割合が多いということで、他の業種よりも女性が昇進・活躍している業界であるということが伺えますね。
結婚/出産の時はどうしているの?
共働きで、家事分担に悩むというのはどの職業でも同じことと思います。もともとエンジニアが残業の多い職という理解があるからでしょうか、結婚でエンジニアを辞める、という方の話はあまり聞きません。
産休・育休の取得は男女雇用機会均等法で義務付けられているため通常は可能です。つわりがひどくて出勤が辛いという場合も、エンジニアの職場はもともとフレックス制度がある所も多いですし、無理をせずに勤務時間を相談してみるとよいでしょう。
男女雇用機会均等法
妊産婦が医師の指導により安静などを命じられた場合、事業主は勤務の軽減や勤務時間の変更などの措置をとる義務がある
労働基準法
妊産婦への時間外労働の免除、深夜業務の免除が義務付けられている
詳しくはこちらもご参照ください!
妊娠中の女性労働者への対応
産休・育休後に復帰できるの?
出産・育児から復帰される女性の方は大変多くなっています。技術のこと、会社のこと、お客様のことなど「勝手の分かる人」が戻ってきてくれるというのは、会社にとってもありがたいこと。会社独自のフレームワークや会社の制度、お客様との関係など、属人的な側面も意外と大きいものです。
しかし、技術の進化の速さから、育休前の知識が一気に古くなってしまったりするのもこの業界。このため、復帰前の上司面談で相談したり、育児の合間に勉強をしたりなどされている方も多いですね。スムーズな復帰のために、自宅からビデオ通話で会議参加をしたり、リモートワークでの作業から勤務をはじめる場合もあります。
女性エンジニアのキャリアとは?
女性エンジニアになった場合の将来の選択肢を知っておこう
1.専門職になる
エンジニアとして、何らかの技術の専門家になるパターンです。社外セミナーに通ったり、勉強会を開いたりして社内外で自分の価値を高めていくような、知識に貪欲な方におすすめです。ただし、人に頼られがちなのでどうしても残業は多い傾向があります。
2.管理職になる
プロジェクトリーダー、課長、係長、部長などエンジニアを管理する立場になっていくパターンです。社内での折衝や顧客とのコミュニケーションなど、包容力と決断力、リーダーシップが求められます。技術を磨くよりもコミュニケーション力に重きをおきたい方、技術者を支援することが好きな方にはおすすめです。
3.短時間勤務になる
育児や介護に時間を割く必要があるなどで、短時間勤務制度を利用するパターンです。社員のまま短時間勤務を行う場合、数年後にフルタイム勤務を行う前提の場合が多いため、条件はよく会社と相談しましょう。残業ができないため仕事のやり方を変えざるを得ず、最初は葛藤される方も多いですが、逆に仕事の効率があがる場合も。
4.雇用形態を変える
家庭の事情で社員としての勤務が難しくなった場合、パートなどに雇用形態を変えてもらうという手段もあります。ただし、パートから社員は再度採用試験を受けねばならないなど社員に戻れる保障はなく、手続きなどは煩雑になることが予想されます。
5.他部署に移動する
残業を少なくしたい、肉体的負担を減らしたいなどの場合、他部署に異動を願い出るのも手段の一つです。テスターやサポート部門、問合せ対応部門など、比較的勤務時間が安定した部門で活躍するのも良いでしょう。
6.他業種に転職する、独立する
現在の会社では折り合いがつかないという場合には、転職も視野に入れてみましょう。エンジニアの知識と経験を活かし、システム営業や事務職、はたまたフリーランスエンジニアとして働いている方もおられます。最近ではプログラミングスクール、携帯ショップのインストラクターなど新しい職種での求人もみられますね。
女性エンジニア向けの求人サイトは?オススメ求人サイト7選
「育児との両立」や「残業が少ない」などの条件でも検索ができる、女性エンジニアにもおすすめの求人サイトを集めてみました。企業側が女性を歓迎すると表明してくださっているのが嬉しいですね。今回は、同様の条件で何件の求人が見つかるかも調べてみましたので、参考にしてみてください!
女の転職@type
画像出典:女の転職@type
こだわり条件で「育児と両立OK」「産育休活用あり」が選べるようになっています。エンジニアの詳細な職種も分けて検索できるので、経験がある方には絞って検索ができるメリットがありますね。
- 職種:IT/システム系技術者
- 詳細条件:育児と両立OK、未経験OK
- 検索結果:東京 33件、大阪 6件、福岡 4件
DODA
画像出典:DODA
専任の担当者が企業のニーズと自分の希望にあった求人を紹介してくれる、エージェントタイプの転職サービスです。履歴書、職務経歴書の書き方のアドバイスなどもあり、正社員での転職を目指す方、ガチのエンジニアを目指す方には向いているサービスです。紹介される企業の業種幅が広い印象です。
- 職種:技術職(SE・インフラエンジニア・Webエンジニア)
- 詳細条件:育児支援制度あり、未経験歓迎
- 検索結果:東京 79件、大阪 31件、福岡 21件
エン転職woman
画像出典:エン転職woman
18時までに退社可能、託児所ありなど、女性向けの細かい検索条件が魅力のサイトです。情報を登録すると、企業からスカウトメールが届く仕組みもあり。転職に興味がある、という段階でも覗いてみてはいかがでしょうか。
- 職種:システム開発
- 詳細条件:子育てママ在籍中、職種未経験歓迎
- 検索結果:東京 76件、大阪 26件、福岡 16件
マイナビ転職Woman
画像出典:マイナビ転職Woman
検索結果がダントツに多く、未経験でもOKという募集が多い印象があります。未経験からチャレンジしてみたい方は、まずこちらで求人を探してみてはいかがでしょうか。
- 職種:ITエンジニア
- 詳細条件:未経験でも可、産休/育休取得実績あり
- 検索結果:東京 138件、大阪 58件、福岡 37件
paiza転職
画像出典:paiza転職
コードを書いて自己PRのできるpaiza。 技術力に自信のある方、ベンチャーで働きたい方はこちらをおすすめします。在宅勤務可能など、最先端の制度を導入した若い企業からの求人が多いので、新しいことをやりたい方、家庭との両立を視野に入れたい方にぜひチャレンジしてほしい求人サイトです。開発言語、フレームワークで求人を絞れる仕組みも大変ユニーク。
- 詳細条件:女性エンジニアが在籍、経験が浅い方歓迎、残業30H以内
- 検索結果:東京都 80件、大阪府 17件、福岡県 2件
リクナビネクスト
画像出典:リクナビネクスト
就活でリクナビにお世話になった方も多いかと思います。おなじみの画面で検索、応募できるというのは安心感があるのではないでしょうか。職種の詳細な絞り込み、わかりやすい検索結果など、使いやすさはやはりピカイチです。
- 詳細条件:育児・介護休業取得実績あり、職種未経験OK、子育てママ活躍中
- 検索結果:東京 41件、大阪 18件、福岡 14件
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画像出典:マザーズハローワーク東京
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まとめ
現代女性はどうしても、妊娠、出産、介護などで、キャリアチェンジが必要な場面が多くなっています。エンジニアは、数少ない、自分のキャリアを自分で作ることのできる仕事です。ぜひ素敵なお仕事人生を手に入れてくださいね!
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- この記事を書いた人
- のりぴよ